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講座概要

統合失調症、気分障害、発達障害などの精神疾患は、有病率がきわめて高い重篤な疾患です。多くの場合人生の早期に発症し、生涯にわたる治療が必要となることも珍しくありません。驚くべきことに、ほぼ全ての精神疾患は発症の原因や分子病態が明らかではありません。このため、疾患に向き合うための適切な知識の確立や普及が進まず、患者様の早期受診や治療、社会復帰などに好ましくない影響を与えているほか、何よりも、疾患の理解に基づいた適切な診断や治療法の開発が困難な状況にあります。また、我が国では、精神疾患の基礎研究に特化した講座組織が極めて少なく、精神疾患の病因や病態の理解の遅れにつながっている一因となっておりました。

このような現状のもと、東京大学大学院医学系研究科精神医学分野を協力講座とし、平成22年2月に分子精神医学講座が設立され、精神疾患の基礎研究を通し病因や病態の解明を進めて参りました。平成25年2月より、大日本住友製薬、吉富薬品のご寄付により基礎分野をより強固にした第二期がスタート致しました。

当講座では、協力講座および学内外の研究組織との緊密な協力体制のもと、遺伝学や分子生物学、神経科学的観点などから多面的に研究を行っていきます。特に、協力講座との連携により収集された試料や、国内外の精神疾患患者死後脳バンクから供与された脳試料などを用い、患者試料を出発点としたエピゲノム研究やバイオマーカー開発に力点をおいています。基礎研究に軸足を置きつつも、社会的要請に応え、患者様に還元できるような道筋を提示できる研究を推進して行きたいと考えております。

平成25年2月1日
特任准教授 岩本和也